2019年 11月 23日
やっぱり山が好き |
このところどうにもイライラしている。
朝晩と日中の気温差が激しく、日照時間も少なくなっているこの時期によく起こりがちな現象である。
こういうときはどうにかうまくやり過ごすより他なし。
じぶんを機嫌よくさせておくのがなによりの薬。
というわけで山へ。
久しぶりにひとりで山に入るときは山がこわく感じる。
ザックの紐にぶら下げた鈴をぶんぶん振り回して、履いた長靴を地面に擦りながらチリチリズッズッとなるべく音を立てて歩く。
こわいのは山を歩いているうちに次第に薄れていくことはわかっているので、途中何度か引き返したい気持ちになってもそれには応えない。
しばらく歩いているうちにこわさは徐々に奥の方へと引っ込んでいき、みぞおちからへそのあたりにキュッと凝縮されるような内側に向かっていく感覚と外に向かって意識が広がっていくような感覚にスイッチが入る。
この感覚はじぶんをコントロールしているという錯覚から解き放たれて、なにかおおきなものに身をゆだねようとするときにあらわれるような気がしているのだが、ほんとうのところはよくわからない。
ただ、その状態がじぶんとってとてもここちよいことを知っているのでこわくても山に入るのだと思う。
落ち葉がハラハラ降ってくる。くるくる回って降ってくる。枝にかすめる音も地面に着地する音も聞こえる。
光の中から降ってきた落ち葉を手で受けとめる。
すぐそばで川の流れる音が聞こえる。
しあわせだなぁとおもう。
水たまりから水がなくなったぬかるみにあしあと。
シカ?タヌキ?イタチ?テン?ぬかるみの中で交差するいろんなあしあと。
落ち葉の上に落ちたてほやほやらしきシカの糞。
水たまりにうごめく線虫。大きいのと小さいの。
名も知らぬキノコたちいろいろ。
模様もカタチも好みなツチグリふたつ。
いろんないきものの気配。うれしいなぁとおもう。
そうして、歩いているうちにいつの間にやら機嫌が良くなっていて、お腹がすいたのでうちに帰る。
やっぱり山はいいなぁ。こわくてここちよくて。
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by yamataro28
| 2019-11-23 23:15
| 野遊び